2014/05/17

個展終了しました。




5月7日、個展終了しました〜〜!!
連日びっくりするぐらい沢山の方に足を運んでいただきました。
本当にありがとうございます!

実は今回の個展に向けての制作が、本当に難産でして。
こんな状態で発表なんてできるのか、と悶々とする日々でした。
(正直、辞める、という言葉も頭に浮かびました。)
険しい崖にしがみつくような、激しい困難ではなく、
まろんとした闇が体に段々浸みていくような、目を閉じればもうそのまま眠ってしまうようなぬるい感覚がずっとありました。

でも、今は、この「TOWA TOWA」という展示が終わってしまったのが寂しく、
ぼんやりとあの景色を噛み締めています。

正直、今の私があの闇を抜けたのかはわかりません。
これから作り出すものたちに、どう私が携われるのかも、わかりません。

それでも今私はある種の静けさを感じています。
ありがとうございました。
この瞬間、私は「とわ」に触れることができたのだと思います。

最後に、会場にも掲示していた「TOWA TOWA」についての文章を載せておきます。
本当にありがとうございました。

高橋 亜弓
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TOWATOWA

とわとは

永遠とは。

地球に最初に誕生した生命は、自分のコピーを作り出す単体生命でした。
次と次と産まれる「わたし」。
ひとりの「わたし」が死んでも、一方でまた新しい「わたし」が産まれている。
その世界では「わたし」ひとりの死は存在せず、ただ永遠で絶対的な孤独のなかで生きていました。

「死」のない世界。

しかし、全てが「わたし」であるということは、弱点もまたみな同じということ。
一つの致命的な原因で、全てが一斉に滅んでしまいます。
そのために生き物は己とは違う「他人」を作り出し、様々な環境に対応できるように進化していったのです。
「私」と違う「あなた」に廻りあった瞬間、ひとつの個体の「死」がこの世に生まれたのです。

私の絵の中にいる、男でも女でもない生き物たちや、一つの身体を共有する二つの頭を持つ生き物は、
「私」と「あなた」の融合する世界です。
この者たちは、個体の死が存在しない原始の生き物でありながら、孤独ではなく、
語るための言葉など必要なく、奪い合うものもありません。

それは「永遠」の世界です。

彼らの肉体はぐんにゃりと融解し、襞、突起、分け隔てるものを全て滑らかな肌で覆い尽くしてゆきます。
それは人間が胎内で生まれて来る姿の逆行でもあるのです。
一つの細胞が細分化し、様々な機能を持った臓器や肉体が発達するのを、ゆっくりと巻き戻す。
そのとき、人は永遠という形をとるのかもしれません。

私は私の永遠の形を、描くという行為で表したいのです。

完全で完璧で完結した、私自身が憧れてやまない世界への供物のように。

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